以前筆者が担当した製品で、バウンダリスキャン回路のテストパターンが、どう頑張っても通らないという事例が発生しました。
テストパターンのフェイルデータを取って解析してもらったところ、バウンダリスキャン回路の、シフトレジスタを構成するFFでホールドタイム不足が発生していたことが発覚しました。タイミング制約の設定抜けでした。
2018年5月15日火曜日
2017年12月6日水曜日
携帯電話向けASIC・論理設計〜私のキャリアを変えた製品のはなし
私のキャリアを変えたとも言うべき、携帯電話向けASIC製品の開発は、1997年からスタートしました。
ASIC製品では、中身の回路は基本的にお客様の回路なので、お客様が論理設計をしたネットリストと論理検証用テストパターンを頂いて、それを元に製品開発をスタートするのが普通です。中には仕様受けと言って、お客様から回路仕様を頂いて、それを元にベンダー側が論理設計をすることもありますが、その場合でも回路はお客様のものです。
中には、回路仕様のドキュメントもろくにない、イメージ受けと言っても良いような製品もあるようですが、こういう切り口の開発は、回路仕様の最終的な確認の段階で責任の所在が不明確になるので、トラブルの元かもしれません。
この製品では、お客様の回路はお客様が設計しましたし、製品仕様は明確だったので、そのようなおかしな話にはなりませんでした。
中には、回路仕様のドキュメントもろくにない、イメージ受けと言っても良いような製品もあるようですが、こういう切り口の開発は、回路仕様の最終的な確認の段階で責任の所在が不明確になるので、トラブルの元かもしれません。
この製品では、お客様の回路はお客様が設計しましたし、製品仕様は明確だったので、そのようなおかしな話にはなりませんでした。
2017年10月30日月曜日
私のキャリアを変えた製品のはなし
はじめに
会社に入ってから8年間、主にテスターの前でうんうんうなっている生活をしてました。そろそろいい加減に生活を変えたいと思い始めていた頃、縁があって結婚することになりました。そしてそれと同じ時期に、ある製品の開発に関わることになりました。これから何度かに渡って、その思い出深い製品の開発について書こうと思います。筆者にとっては、その後のキャリアを大きく変えたと思える経験で、この製品がなければその後の会社生活も随分違ったものになっていただろうと思います。
1997年、とあるお客様の携帯電話向けのASICを開発するに当たって、若い実務担当者をただ見ていてくれれば良いので、取りまとめるように、という指示があって、製品開発チームに入りました。
製品仕様を見てびっくり。お客様の論理と8ビットマイコン、そして32ビットのDSP機能付きマイコンとその他マイコン周辺機能という盛りだくさんの構成でした。今でこそマルチコアの製品は珍しくありませんが、0.35ミクロン、今風の言い方だと350nmプロセスの世界でこういう盛りだくさんな構成の製品は他に見たことがありませんでした。
そして何よりも、これからどんどん市場が大きくなって行き、技術的にハイレベルとだろうと思っていた携帯電話向けの製品、そしてお客様が当時の日本のエレクトロニクスをリードしていた品川のお客様。
いくら見ていてくれれば良い、とは言っても、初めて経験する製品開発の取りまとめ業務ということもあって、不安と期待が入り交じる気持ちを抱いたものです。クリスタルキングの大都会のような心境ですね。古い話で申し訳ありません。
2016年7月13日水曜日
第6回〜アナログテストでごめんなさい その2
アナログテストでごめんなさい、第2回目です。
今回は、テスト抜けがあって市場不良を出してしまった話です。
なぜテスト抜けとなってしまったのか、すでに全く覚えていないのですが、原因はともかくどのようなテスト抜けが起こっていたのかは覚えているので、ご紹介します。
LSIのテストは結構長い期間メイン業務としてやっていましたが、担当製品で明らかなテスト抜けが原因の市場不良を起こしてしまったのはこの製品だけです。
しかも、担当から外れていた時期に市場不良が出たので、後始末を他の方がやってくださって、20年近く経った今でも、お客様及び後始末をして下さった方には本当に申し訳なく思っています。
今回は、テスト抜けがあって市場不良を出してしまった話です。
なぜテスト抜けとなってしまったのか、すでに全く覚えていないのですが、原因はともかくどのようなテスト抜けが起こっていたのかは覚えているので、ご紹介します。
LSIのテストは結構長い期間メイン業務としてやっていましたが、担当製品で明らかなテスト抜けが原因の市場不良を起こしてしまったのはこの製品だけです。
しかも、担当から外れていた時期に市場不良が出たので、後始末を他の方がやってくださって、20年近く経った今でも、お客様及び後始末をして下さった方には本当に申し訳なく思っています。
2016年6月16日木曜日
第2回〜2相クロックの罠
はじめに
第2回目は、私が会社に入って最初に任されたまとまった仕事のことを書きます。会社に入って最初の年は、ひたすら机でお勉強することと、いろんなソケットの半田付けなんかが主立った仕事でしたが、その年の秋頃から評価用のLSIの実装機評価を任されました。
これはタイマーとかシリアルインタフェースといったマイコン周辺機能のブロックだけを入れたLSIを作って(LSIの開発自体は別の人がやってました)、それを実装機で動かして機能の評価をする、という仕事で、たしか評価対象のLSIは、ウォッチドッグ・タイマー、フリーランタイマー、クロック同期シリアルインタフェース、調歩同期シリアルインタフェースの4チップ。
おそらく、機能的にそれほどたいしたものではないっていうことから、先輩方も新人に任せたのでしょう(調歩同期はちょっと厄介だけど)。
ところが、動かない・・・
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