第1回補足資料・テストベクタ作成の手順

LSIテスターでLSIを評価するためのテストベクタ(テストパターン)は概ね以下のような手順を踏んで作成します。

 対象とするLSIと、そのLSIを動作させる仮想的な評価基板、動作環境をVerilog HDL 等LSI開発で使用しているハードウエア記述言語で作成します。(LSI開発に於いて、論理検証のためにすでに作成済みのはずですよね。)

この仮想的な実装ボード全体で論理シミュレーションを実施し、そのシミュレーション結果をLSI端子の切り口で抽出したものが、LSIを対象としたテストベクタ(テストパターン)となります。

仮想的な実装ボードの階層から見ると、LSI端子は内部信号となるので、内部信号をモニターして抽出することになります。

CPUを搭載した製品では、LSIを動作させるために内蔵CPUにプログラムを実行させてLSI全体を動作させることが多いと思います。このためのプログラムを、仮想的な実装ボード内に置かれたROMの中に格納します。すると、実装ボード起動後CPUは実装ボード内ROMに格納されたプログラムを実行し始め、それに伴ってLSI全体が動作を始める、ということになります。

このROMに格納するプログラムを作成して、LSIテスター用のテストベクタ(テストパターン)を作成する概念を、概略図として以下にまとめました。あくまでも概略ですので、ご参考ということでお願いします。